大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和60年(ネ)1938号 判決

控訴人は、被控訴人の消滅時効を援用するとの主張は、原審における担当裁判官の釈明によってされたものであって、右の措置は違法である旨主張する。本件のように裁判所が当事者の一方に対し、消滅時効を援用するか否かにつき釈明を求めることについては弁論主義との関係で裁判所の釈明権の範囲をこえるかどうか議論がない訳ではないが、本件がいわゆる本人訴訟であって、不法行為後約九年四か月経過した後の訴え提起であることにかんがみると、原審裁判所が右のような釈明をしたとしても必ずしも違法となるものではなく、またそれによってなされた被控訴人の消滅時効を援用するとの主張が違法無効となるものではないと解するのが相当である。したがって、控訴人の右主張は採用の限りでない。

(岡垣 小川 佐藤)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!